ブラウザ市場はマイクロソフト社の巻き返しによって、「インターネット・エクスプローラ」の人気が高まり、ネットスケープ・ナビゲータ社はAOLに買収されてしまうという、シリコンバレーらしい変転の激しさを見せつけました。シスコ・システムズはスタンフォード大学の5人の研究者が1984年に設立した会社です。スタンフォード大学の中にあるすべてのコンピュータを1つのネットワークに組み込むための装置(ルータ)を開発したことが、この会社のスタートでした。当時のコンピュータは、その製造メーカーが異なれば相互に接続することが不可能でした。スタンフォード大学でも、何種類ものコンピュータが導入されていたために、相互の接続ができずに不満を感じていたレオナルド・ボサックとサンディ・ライナー夫妻らが、ルータを開発してその接続に成功、この技術を起業化することで瞬く間に急成長を遂げました。
インターネットは、基本的に両端のコンピュータだけで転送の制御をする逆に、両端のコンピュータしかこの制御をしていないともいえます。これは、どういうことかと言いますと、先ほど説明した既存のデータ通信とは全く逆に、「中間」はもしかしたらデータを送ってくれないかもしれない、「中間」はそれでよいということを前提としたネットワークなのです。こういう点に注目するとインターネットは、「信頼性のない」「データグラム」のネットワークだと言えます。「データグラム」というのは、バーチャル・サーキットに対応するもう一つのデータ通信の概念です。バーチャル・サーキットというのは、いったんつながったら、あとはデータをその一本の回線に流すという仕組みでした。
製造業はピークをとうに越えており、人員縮減の中、これから成長が期待できるのはサービス業であり、それとITとが融合したのがネット業界である、というのがこれまでの主要な論点であった。ただし、日本のネット業界をドメスティック(国内)に限定すると、おそらくそういう理解でもいいのだろう。が、考えてみると、アマゾンやグーグル、イーベイをはじめ、ネット企業はグローバル企業でもある。というより、ネット企業であるからこそ、容易に国境を越えられるのである。ご承知のように、いつも何気なく使っているグーグルの検索ボックスの「向こう側」にあるのは、米国に設置された膨大なコンピュータ群である。こうしたグローバルなネット企業がもっと日本に進出してきたとき、ドメスティックな日本のネット企業は持ちこたえることができるのか。あるいはそれとは逆に、日本のネット企業は国境を越えて行けるのだろうか。