建物の構造上、吹き抜けをつくることができない集合住宅でも、リビングルームの形状や建具の配置に工夫を凝らせば、自然と視界が広くなり、開放的な空間になるでしょう。また、面積が同じであっても、その対角線を長くとることで空間の広がり感は変わってきます。すなわち、部屋を狭く感じることと実際の面積は必ずしも比例してはおらず、視覚効果を最大限に利用することで閉塞感を取り払い、いかにして広がりのある住まいをつくることができるか、そのあたりが建築家の腕の見せ所だと言っても過言ではないのです。
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すでにご理解いただけたとは思いますが、空間の広がりを優先した住まいづくりの発想と個室の充実を念頭においた住まいづくりの発想とは相反するものであり、両者を実現するにはやはりそれなりの敷地を必要とします。しかし、閉塞感から解放されつつ、家族の気配を常に感じられる住まいづくりの考え方は矛盾しません。頭金が豊富にあり、夫婦共働きを前提に三十五年以上のローンを組むことができれば、より広い敷地が手に入るのかもしれませんが、住まいに収まるべき家族がバラバラの生活を強いられてしまったのでは、本末転倒というものでしょう。